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  • 2010.03.03 Wednesday 00:08
  • 歴史は「べき乗則」で動く
  • by nkfj
JUGEMテーマ:読書

本書はブラック・スワン下巻のP.172で触れられている「歴史の方程式:科学は大事件を予知できるか」を改題、文庫化したものだ。タレブはこの本を含めた3冊の「複雑系の研究を要約した一般向け科学本」に触れ、それらの本で紹介されているさまざまな現象に現れるべき乗則の普遍性には同意しつつも、それらを厳密に計算して崇めているという点を批判している。どういうことなのか少しわかりにくかったので、その3冊のうちの邦訳が出ているものを読んでみよう、と思いつき、本書を購入してみた。
結局、本書を読んでみてもタレブが何に対して強烈に批判していたのかが、自分の理解が及ばずよくわからなかった、と言うのが正直なところだ。そもそも本書で著者の主張がもっとも現れていると思われる最後の3章の内容が難解で、なかなか理解できなかった。と言うわけで、肝心のところがわからなかったので、一番知りたかったことは謎のままだ。ともかく結論としてはタレブが書いているような「実際のところ、複雑系の理論から私たちが学ぶべきことは、現実を厳密にモデル化したものから科学的な主張が出てきたら疑ってしかるべきだということだ」と言うことに尽きるのだろう。

本書の内容に戻ると、最後の3章に至るまでは純粋な自然科学の読み物として知的に楽しめた。つかみは、第一次大戦の「原因」と言われているオーストリア皇太子の暗殺にまつわる偶然のエピソードだ。これは歴史の動きを複雑系科学の視点から捉える本書のメインテーマにつながる話だが、人類の営みについてはまずは棚上げして展開される科学的な話のほうがわかりやすく面白かった。

その皮切りとして地震という「予測不能」な現象について、最新のモデルの進化が紹介されている。これはためになった。うろ覚えだが、昔は大地震の発生メカニズムはプレートの変動により蓄積されるひずみが周期的に開放される、と説明されていたことに対して、最近の研究では単純にそうではない、と言うようなことを聞いたことがあった。たぶん、その研究の深化が本書で紹介されているものに当たるのかな?と思いながら読んでいた。このモデルによれば、プレート同士のすべりは発生当初はごく小さいものであったとしても、それに引き続いて起こされるすべりの大きさは最終的にどれくらいまで影響し合って行くかはわからないのだ。最終的なその大きさは、初めの原因の大きさとは何の関係もないからだ。このように地殻は常に大変動の瀬戸際にある「臨界状態」に置かれているため、そこから壊滅的な地震は理由もなく生じ、またその予測は不可能なのである。

同様に臨界状態の事例として大規模な山火事や生物の大量絶滅、金融市場の暴落などが紹介され、科学の進歩やパラダイムシフトまでを論じている。終盤に近づくに連れ、理解がだんだん難しくなってくるが、科学的な読み物としてはなかなか面白かった。

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