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  • 2008.11.03 Monday 15:28
  • 子どもへのまなざし
  • by nkfj
評価:
佐々木 正美
福音館書店
¥ 1,785
(1998-07)
JUGEMテーマ:読書

妻が少し前に図書館で借りて読んでいたので、自分もそれに続いて読んでみた。著者のことは知らなかったが、児童精神科医でおそらく高名な先生なのだろう。数々の講演をこなしているらしく、本書の内容はそれら講演の内容をベースにしている。よって、ヴォリュームはあるが非常に読みやすい。いろいろ良いことを話されているが、一番印象に残ったのは「乳幼児の間は、子どもの要求や期待にできるだけ充分にこたえてあげる」というようなことだ。「過保護」というのがよく誤解されるとも書かれているが、乳幼児は自分だけでは何もできないのが当たり前なので、望んでいることはできるだけ何でもしてあげたほうがいいらしい。それによって親との信頼関係ができてくるのだそうである。
しかも、この時期は子どもも小さい分、要求も単純であり、思い切り手をかけることができるということでもあり、大きくなってからあとで手をかけるよりどれほど簡単か、というようなことも書かれていた。確かにそうかもしれない。子どもができると、これまでの生活が一変するので、ついつい「大変だ、大変だ」と思ってしまいがちだが、もっと育って子育てがどんどん複雑なものになって行くであろうことを考えたら、非常にうなずける話だ。

興味深かったのは、子どもの要求に応えないでいる間に泣かない子になったとしても、それは決して忍耐強い子になったわけではないそうだ、ということである。泣いても応えてくれない、ということで、親に対する不信感を持ってしまったり、駄目なものに対してすぐにあきらめやすい子になっているのだそうである。確かに、これは大人の世界でも同じで、よく傾聴を心がけない上司の下にいる部下は上司に何を提案しても無駄だと無力感を感じ、そのうち建設的なことすら何も言わなくなってしまう、というよく言われる話に似ている。そう考えると子どもの気持ちというのも、人間としてごく当たり前の反応をしているのだろう、という理解が成り立つ。

他のメッセージとしては「親も人間関係が大事」「子どもは大人からだけでなく友達などの子ども同士からも学ばなければならない」「思いやりを教えてあげられるのは親だけ」など、これらも言われれば当たり前なのかもしれないが、気をつけないと忙しさの中で忘れてしまうかもしれない。

また、著者によると、家族というのは、物事がうまくいっているときには、家族はどうでもよく、何か成功した時のお祝いは小さなお祝いしかしないのだそうだ。ところが、子どもや家族の誰かが病気をしたり何か失敗をしたときには家族みんなで協力し合って全面的に応援するのだそうだ。そういうときのためにこそ、家族があるというのはまったく賛成だ。思えば自分が育った家族はそんな感じだったかもしれない。普段はお祝いごとやマメな連絡もあまりしないのだが、いつも安心はしていた。

ひとつハッとしたのは「現代人は卑屈な人が多くなってしまった」というところだ。「お願いします」というと相手に迷惑をかけるかもしれない、と被害的に思ってしまう、ということが書かれていたが、自分も知らず知らずのうちにそういう心境に似たものを持ってしまっているような気がした。人に「ありがとうございました」と言えるのは最高の喜び、「どういたしましては」というのはもっと大きな喜び、というのは記憶に留めておきたい言葉だった。

本書の内容は子育て全般にわたっているが、乳幼児についての内容に半分以上が割かれている。それだけ、その時期が大事だということの現れでもあろう。複数の講演内容をまとめているため、似た内容が繰り返し重複しているようなところもあるが、全体的に平易な言葉なので読みやすい。

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